大判例

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東京地方裁判所 昭和41年(ワ)7237号・昭41年(ワ)751号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔決判理由〕ところで、原告は、約定の賃料改訂期である昭和四一年六月六日以降、本件賃料は一カ日一坪(三・三平方メートル)につき、金一七円に増額すべき事由があると主張し、被告は、逆に、一カ月一坪につき金四〇円ないし金五〇円に減額すべき事由があると主張するので、この点について判断する。

近時、一般物価ないし地価が漸次昂騰の傾向で、それにつれて、固定資産税等土地に対する公租公課も増徴されつつあり、その傾向は減退のきざしを見せぬばかりか、むしろ、漸増の気配さえあることは公知の事実であること、本件土地賃貸借契約については賃料は公租公課増減、物価の高低、比隣の土地の賃料に応じて二年毎に改訂されても異議がない旨の特約があることは前認定のとおり当事者間に争いがないことをあわせ考えれば、前回の賃料改訂期昭和三九年六月六日から二年後の今回の改訂期昭和四一年六月六日においても特段の事情のない限り、増額の契機はあつても減額の契機はないものと認めるのを相当とする。従つて、問題は増額の程度如何ということである。

なるほど、原告主張の算出方法なるものは客観的賃料の算出にあたつて一般にほぼ是認せられているところであり、鑑定人橋本厲之の鑑定の結果によれば、昭和四一年六月における本件土地の更地価格は一坪当り金九五、〇〇〇円、その借地権割合は七割、底地割合は三割であるから、本件土地の底地価格は一坪当り金二八、五〇〇円となり、この底地価格を基準として客観的賃料を前示の算出方式に従つて査定するときは、一カ月金一四七円となることが認められる。しかしこの金額は純経済理論的な資本還元の見地から算出されたものであつて、直ちにそれが現実具体的な適正賃料となるわけのものでもない。何となれば、土地は人間生活に不可欠な財貨としての特殊性をもつが故に、種々な社会的事情によつて修正を余儀なくされるからである。そこで案ずるのに、前認定の争いのない各事実(ことに、従前における賃料改訂の経過に関する事実)並びに鑑定人橋本厲之の鑑定の結果(但し、後記採用しない部分を除く。)を総合するときは、昭和四一年六月における本件(一)、(二)各土地の適正賃料は、いずれも一カ月一坪(三・三平方メートル)につき金七〇円とするを相当と認め、甲第二号証、甲第五号証、鑑定人橋本厲之の鑑定の結果、証人宮河邦春の証言及び原告本人の尋問結果中右認定に反する部分は、いずれも採用することができない。(関口文吉)

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